'Did her ministers ever open Queen Elizabeth's letters ?' said Una.
'Faith, yes! But she'd have done as much for theirs, any day. You are to think of Gloriana, then(they say she had a pretty hand), excusing herself thus to the company - - for the Queen's time is never her own .
「臣下たちは女王の手紙を開けたのですか?」ユーナが尋ねた。
「間違いなくそうです。ですが彼女の方も、臣下の手紙を開けるのは日常茶飯事だったかも知れません。グロリアーナが(彼女は手(文字)が美しかったという話です)女王の時間はすべて公用だからと言い訳しているところを想像してみて下さい」
このなかの"they say she had a pretty hand" の意味が良く解らなかったので、あるサイトで相談してみた。大方は pretty handは字が綺麗という意味だとする方が多かった。
確かに女王の筆跡は美しい。
http://www.jgregorywilson.com/liz1.jpg
しかしAlan Carmackという方が非情に興味深い指摘をしてくれたのでここで紹介します。
「女王はポケットから本物の手紙を出し、それを腕の長さにまで広げた。それは村の電話局で歳を召した女性職員が電報を読む時のような仕草であった」という文章がその後に続いています。
私たち英語圏の人間は"her hands"という言葉で何を言いたかったのかを想像します。女王の筆跡も知らず、筆跡の意味だと取らない人が、それを女王の実際の手のことを言っていると考えても理不尽ではありません。多分彼女は言い訳をする時、手を使った素振りをしたでしょう。その時、手袋など手を隠すものを身に付けていなければ、その女性がやって見せたように、手紙を読む時に、手がはっきりと見えたはずです。この文の前でも「彼女は宝石で飾られた長い手を高く掲げた」とあります。
しかし"hand"が筆跡のことだという意見もあり、それを考えれば私の解釈が唯一のものでも、最も確実なものでもないと思われます。しかし私たちは本を読む時、自分たちでよく意味を想像するものです。そしてそれは作者が意図したものとは異なるかも知れません。ですが英語がネイティブの人間でも古典を読む時には、おおいに推測を働かす必要があることは覚えておいて下さい。
確かに「女王の掌」と取った方がキュートで印象的かも知れません。